第16回日本通所ケア研究大会に参加しました!!
2017年11月29日
第16回日本通所ケア研究大会
中重度者対象のリハビリ特化型デイサービスでの身体活動量についての取り組み~エクササイズ(Ex)を用いて~
発表:中島文音
中重度者対象のリハビリ特化型デイサービスでの身体活動量についての取り組み
エクササイズ(Ex)を用いて
リハビリデイサービス ルピナス木津川 中島文音(奥村伊世)
【この取り組みを行った目的】
当デイサービスでは中重度者の活動量が向上するような活動量向上訓練に取り組んでいる。今回、この取り組みが中重度者(要介護3~5)の身体活動に対してどのような影響を与えたのかを6ヶ月間のエクササイズ(以下EX )で検証した。
【具体的取り組み】
活動量向上訓練とは、理学療法士により対象者毎に日常生活動作を元に運動プログラム
を作成し、通常の個別リハビリに加えて実施している。動作毎に最終目標とする動作方
法を設定し、対象者個々の動作レベルに応じた実施可能な動作方法より開始するエクササイズ(以下EX)である。活動量計(TANITA製カロリズムSMART)を用いて運動強度(METs)の測定を行った。対象者56名(男性27名、女性29名、平均介護度3.7、平均利用回数2.4)に対して、その日のEXを算出し、各利用者の測定開始から1ヶ月間の平均EXと6ヶ月間の平均EXの比較と、介護度の因子によって、平均EXに傾向があるかどうかを検証した。
【実施後の変化・効果、結果】
対象者56名の測定開始から1ヶ月間平均EXは0.39、6ヶ月間の平均EXは0.45で、有意差(P<0.001)がみられた。各介護度に分類したEXはすべて向上し、有意差(P<0.001)がみられた。1週間の利用回数(1回、2回、3回以上)毎に分類したEXは、すべて向上し有意差(P<0.001)がみられた。また、6ヶ月間の平均EXを介護度別に分散分析した結果、介護度3(平均EX0.58)と介護度4(平均EX0.30)、介護度3と介護度5(平均EX0.30)に有意差(P<0.05)がみられた。
【考察】
中重度者の介護予防という観点から、当デイサービスでの取り組みで、活動量向上訓練が中重度者の身体活動量の維持向上に繋がるのかどうか検証した。平均EXが向上したということから中重度者が日常生活で必要な動作を反復して行うことにより、身体活動量は向上することが分かった。また、6ヶ月間の平均EXの介護度別で有意差がでたことは、介護度3の活動量向上訓練の有用性が示唆された。よって今回の取り組みで、中重度者は在宅において、生活範囲の狭小化がみられるが、デイサービスを定期的に利用し、活動量向上訓練を反復して行うことで、身体活動の増加に結びついたのではないかと考える。