リハビリテーション・ケア 合同研究大会長崎2014(藤原都)
2014年11月6日
リハビリ特化型デイサービスにおけるMCI高齢者に対する二重課題下有酸素運動プログラムでの認知障害改善の取り組み
株式会社ルピナス リハビリ訪問看護ステーションルピナス 藤原都、 松井豊晴、田中仁
目的:
当施設利用の軽度認知障害(以下MCI)高齢者を対象に二重課題下の有酸素運動を行うことで、認知機能改善が可能かどうかの取り組みを行った。
対象者及び方法:
当施設利用のMCI該当者(MMSEの点数が22点~26点に該当し、Reisbergの定義に2つ以上該当、客観的、主観的に物忘れは認められるが、認知機能が保たれ認知症ではない)、男性2名、女性4名の年齢70歳~96歳を対象に行った。方法は、MCI対象者に週2回デイサービスにて、計算を行いながらの足踏み運動を5分間行う二重課題プログラムを5週間実施した。評価は介入前後にMMSE、Reisbergの定義の問診を行い、週1回50マス計算で計算速度、正解率を測定し介入前後を比較した。
結果:
MMSE、Reisbergの定義の問診ではMann-WhitneyのU検定を行った結果、両方法とも有意差は認められなかった。計算速度、正解率はt検定を行った結果、介入前252.6±167.7秒、介入後192.8±131.7秒とP=0.03で有意差を認めた。正解率は、有意差は認められなかった。
考察:
50マス計算の速度のみ有意差が認められたことは、介入した二重課題内容が計算をしながら足踏みという課題であったためと考える。大森らによると、前頭前野の機能として注意を集中したり暗算したりする脳の賦活化が考えられており、計算を行ったことで前頭前野へ刺激を与えたと考える。久保田らよると、足踏みにより下肢運動野へ刺激を与え、その前方へある前頭連合野へと刺激が波及し、前頭前野の活性化に繋がると述べており、同時に足踏みを行ったことも影響していると考える。